食品に家電…私たちの暮らしに身近な様々なモノが9月1日から値上がりしました。大きな要因は世界的な原材料価格の高騰ですが、1日は24年ぶりに、一時1ドル=140円台をつけるなど、“止まらない円安”も値上げに追い打ちをかけています。
■9月も「値上げ値上げでワケわかんない」
山本 恵里伽キャスター
「9月1日からの値上げに伴って東京・台東区のスーパーではある作業が行われています」
スーパーの従業員
「食品の値上げの関係で棚の値上げ作業をしています」
こちらのスーパー「PBファーム」では8月31日まで税抜き413円だったツナ缶が459円に。小麦粉は289円から319円に。さらに、パンに塗るバター風味の商品は293円から329円に値上がりしました。原因は、円安などによる仕入れ値の高騰です。客の反応は…
山本キャスター
「9月1日でいろいろ…」
買い物客
「だからいっぱい値上がりしているんだ」
山本キャスター
「実感ありました?」
買い物客
「高いと思ったんです」
買い物客
「値上げ値上げ値上げで・・・わけわかんない」
店側も頭を悩ませています。
PBファーム 清野恒樹社長
「9月1日から値上げになる商品一覧です。300~400品目はあると思います。値上げしきれない分は店負担になります。店も頑張りますのでお客さんも是非買っていただきたい」
今回の値上げは子供たちにとっても一大事です。
9月、「カルビー」と「湖池屋」はスナック菓子を中心に値上げや中身を減らす“実質値上げ”を行います。ロッテのチョコレートやガムなどは最大17%値上げです。
買い物客・母
「値上げされるということで買ってあげられる量が減ってくるかな」
娘
「イヤだ」
news23スタッフ
「(値上げされる)『じゃがりこ』は食べる?」
親子
「あんまり お父さんの方が食べてるね」
news23スタッフ
「『じゃがりこ』も値上がりしますが」
親子
「いやですね」
ホームセンター「ユニディ」では家電の仕入れ値が1月より3割高くなりました。販売価格の値上げは避けられず客から嘆きの声が…
客
「あんまり高くなっちゃたのでインチの小さいテレビに抑えようかなとか、ちょっと画質悪くても安いのにしようかなとか考えちゃいました」
さらにパナソニックは9月1日からブルーレイディスクプレイヤーやドライヤーなどの出荷価格を最大で33%値上げ。15日からはソニーの「プレイステーション5」の希望小売価格が一気に5500円引き上げられます。
■24年ぶりの円安水準 “値上げ”日本の打つ手は…
こうした値上げの背景にある大きな要因は世界的な原材料価格の高騰です。さらに、多くの原材料を輸入に頼る日本にとって円安が追い打ちをかけています。
9月1日は8月31日より1円近く円安が進み139円60銭台をつけました。1998年以来、24年ぶりの円安水準です。背景にあるのが、アメリカの記録的なインフレです。
TBSテレビ経済部 木戸誠人部長
「FRBのパウエル議長はインフレを退治するには景気を犠牲にしてでも利上げを続ける姿勢を示しているんです」
利上げによって市場に回る資金を減らし、物価上昇を抑えようとするアメリカ。
2022年3月から、利上げを繰り返し実施し、政策金利は2.5%まで上昇しています。一方、マイナス金利など異例の金融緩和から抜け出せない日本。ドルで資金を運用した方がより多くの利益が出るとして、円を売ってドルを買う動きが止まらなく円安が加速しているのです。
では、なぜ日本は金利を上げることができないのでしょうか?
木戸部長
「日本も物価上昇率が2%台に達していますが、要因はエネルギーの高騰で、良い物価上昇にはほど遠いという判断なんです。物価の上昇に賃金の伸びが追いついていないため、今利上げをすれば、さらに景気が腰折れしてしまう、そういうスタンスを日銀はとっています」
景気を冷やすとしてかたくなに金融緩和を続ける日銀。円安を止める道筋は見えていません。
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